今やいろんな商品に値段が付いていて、お金がたくさんあればいろんな商品を買えてサービスを受けられる便利な時代になりました。
こんな恵まれた時代だからこそ、お金をお金として、当たり前に大事なものとして認識されるようになりました。
しかしその当たり前がお金の本当の意味をわからなくしているのも事実です。多くの人が考えているお金の認識はおそらく間違っていることが多いのです。
なぜなら、よくよく考えてみれば硬貨や紙幣自体はただの金属であり、紙きれであります。
それに価値が付くようになったのはなぜなのか?
歴史を紐解いていくと、今のようなお金になった理由、そしてお金の本当の意味がわかるようになります。
ここでは3分でわかるようにざっくりと、お金の起源と歴史や、お金とは何か? そして信用で成り立つお金の話を説明していきます。
お金がない頃は物々交換していた
まだお金というものがなかった時代。
人は狩りをして獣の肉を獲り、海に潜って魚をとって食べていました。
ある日、村人Aが言いました。
「いつも肉を食べていたから、魚と交換したいなー。」
今度は村人Bがこう言いました。
「魚がたくさん獲れた。せっかくなら肉と交換したいなー。」
そこで村人Aと村人Bは肉と魚を物々交換することにしました。
物々交換は不便
しかし、これだと不便なことがありました。
ある日、いつものように村人Aがいつものように肉を獲ってきました。
今日は狩りがうまくいって獣をたくさん獲ることができたようです。
しかしこれでは食べきれないのでいくらかを魚に交換したいと思い、村人Bのところへ行きました。
ところが村人Bは、こう言います。
「今日は交換する魚がないなあ。」
肉や魚は日持ちせず、置いておくと腐ってしまいます。
そのため、獲ったばかりの肉や魚でないと交換に出せず、お互いに狩りや交換の意思のタイミングが揃わないと交換が成立しません。
そこで村人Aはこう提案しました。
「保存がきいて、みんなが欲しがる稲にいったん交換しよう。」
こうして、稲や貝が物々交換の仲介に使われるようになりました。
仲介するものがより利便性の高いものに変わっていく
やがて物々交換の仲介に使うものが、希少価値の高い金、銀、銅になりました。
これだと加工しやすく、いたまないので便利です。
そのうち、
「金じゃなくても、金と交換ができる約束を書いた証明書でいいんじゃないの?」
ということになりました。
これでたくさんのお金が必要な取引でも、たくさんの重い金を持ち運ぶ必要がなくなりました。
しかし誰でも証明書が発行できるようになると、ニセの証明書を発行しようとする悪い人も出てきます。
こうして国全体で信用できる中央銀行ができて、そこから紙幣が発行されるようになりました。
紙幣が金と交換できることをみんなが認識していたために、紙幣という紙を使って好きなものと交換できるようになったのです。
お札が足りなくなる
しかし金だと採れる量に限りがあります。
紙幣は金と交換できるので、銀行が持っている金の量までしか紙幣は発行できませんでした。
しかし経済が活発になるにつれてお札はたくさん必要になりました。
これだとお札が足りなくなってしまいます。
そこで銀行は制度を変えました。
「保有している金の量に関係なくお札を発行する。」
「これからはお札を金と交換しない。切り離すことにする。」
こうして、今までは金によって価値が保証されていたお札が、金から独立することになりました。
お金は信用でできている
じゃあ今のお札は何でお金と保証されているかというと、信用です。
みんながそれをお金と認識して、信用しあっているからこそ何かと交換してもらえる券になっていると言えます。
お札が金と交換できると保証されていれば、他の国に行ってもその証明書を信じてもらえるなら何かと交換してもらうことはできるでしょう。
だけど、今の日本のお札を他の国に持っていっても使えません。
それは他の国は日本のお札をお金と認識していないからです。
他の国に行けばただの紙きれになってしまいます。
だから、みんなが今あるお札をお金と誰も信じなくなったとき、お金はお金じゃなくなります。
とても不安定なもので、幻想でしかありません。
「いつかお札がただの紙切れになってしまうかもしれない」と聞いて、「そんなわけないでしょ!」と思ったことがあるかもしれません。
実はお金はその程度のものです。
幸い日本は恵まれていますが、世界を見るとそのようなことは現実に起こっているのです。
そして、お金は感謝の証とも言えます。
はるか昔に獣の肉や魚を獲って、食べ物を交換したように、あなたが世の中にこれだけの価値を生み出したよ、そしてあなたの貢献度は、これだけの他のものに交換することができるよ、という数字です。
自分一人では時間に限りがあるので、すべての能力を身につけることはできません。
弓矢を使うのがうまい人が山で狩りをし、泳ぐのがうまい人が海で魚を獲ることで、自分だけでは実現できなかった食材を食べられる。
他の人の持っている価値を自分の価値と交換して、自分だけでは得られなかったもっと豊かな思いができるようになる。
こうやってみんなが助け合ってもっと楽しい生活ができるようになるためのツールとなりました。
だからそう考えると、「人に何かをしてあげられるようになる」ということが人間が生きるうえで一番必要なことなのかもしれません。
お金とはいったいなんなのか?
本質は一緒でも、ツールであるゆえ、人それぞれ使い方や考え方は少しずつ違うと思います。
これをきっかけにお金について考えるきっかけになれば幸いです!