この記事の続きです。
1話目はこちらです。
それからもこんな調子で出張はしばらく続き、あるとき突然、チームのリーダーから
「来週から2ヶ月の出張になる」
と伝えられました。
(2ヶ月って長いなあ……)
とあまり気乗りはしませんでしたが、出張先は何人かで行くので心細いということはないし、精神的にも安心はあったのであまり深くは考えず、どちらかというと旅行感覚くらいに考えていました。
2ヶ月の出張が始まる
家をこんなに長期間空けるのはまれなことでした。
ただ、長いというだけで出張先での作業はそれほど難しいということもなく、1日の流れは朝から作業をして、昼過ぎくらいに終わり、ビジネスホテルで戻ってそれから観光でもしながら時間をつぶすというのが日課になっていました。
1日ごとに決められた進捗で進める必要があったため、残業してもう少し仕事を先に進めておくといったことができず、早く終われば早く帰ることができました。
平均して半日くらいしか仕事をしていないことになるので、正直ラクではありました。
時間はたっぷりあるので、仕事が終わったら一緒に出張に出てきていた先輩と周辺を観光して夜は飲んで回っていました。
仕事をさっさと終わらせて、あとは知らない土地で余暇を過ごすという、なんだか非日常のような体験で、それは楽しいものでした。
出張開始から1週間
しかし、慣れというものは本当に怖いものです。
それも1週間ほど経つとすぐに飽きてしまいました。
そもそも地方の同じところを1週間も回っていれば、観光するところがなくなるのです。
もうすでに行ったことのある場所がほとんどになり、一番ツライのは週末の仕事がないときでした。
見知らぬ土地でひとり、とくに出かけるところもなく、自分の家でもないのでホテルにいてもテレビしかありません。
週末まで年上の先輩を気軽に誘えるほどの仲でもないし、とは言っても他に誰も友達がいるわけでもありません。
ボーッとテレビを見て、少し外に出て公園で野生のネコにエサをあげてみたり、図書館でDVDを見たり、なんとか時間を潰すのに一苦労でした。
これを書いているだけだと、
「なんだ、ラクでいいじゃねーか。」
って思うんですが、親しみのない土地に、誰にも会わず、何もすることもないとこんなにも無気力になるものかと感じました。
究極の暇つぶし、再び
過去に会社で暇すぎて時間を潰すテクニックを培っていました。
仕事がないときのための暇つぶしアイディア集【会社を辞めた話 第30話】
しかし、ここではさらに時間があってやることがないので、もっと上級の究極の暇つぶしのスキルが必要でした。
出張先での暇つぶし その1 ひとりで飲みに行く
まず僕が始めたことは、ひとりで飲みに行くということでした。
先輩と最初のうちはよく飲みに行っていたのですが、毎日同じメンツで行ってもマンネリ化してしまい、少しづつ頻度が減っていきます。
そうなると今度は一人で飲みに行くしかありませんでした。
しかし、一人で美味しいものを独り占めする孤独のグルメ的な楽しみ方は僕には向かなかったようです。
むしろ知らない土地で、地元の常連が集まるようなお店で一人で酒を飲んでいると、悲しくて涙が出そうになり、あまり長続きしませんでした。
出張先での暇つぶし その2 マッサージに行く
今度は、出かける口実をなんとかして作ろうとします。
「ああ、そういえば肩がこっていたんだなあ。」
と自分に言い聞かせ、10分からマッサージをしてくれる、「てもみん」に行きました。
それも電車を使わずあえて時間をかけて、少しでも体がこるように歩いて行きました。
入店するとさっそく店員さんが出てきて、マッサージを始めてくれました。
さぞかし気持ちいいだろうと思っていたのですが、それがメチャクチャ痛いのです。
ガマンできず、
「すみません、もっと弱くしてください。」
と言うと、少し力を抜いてくれました。
しかしまだそれでも痛いので
「すみません、その半分の力でお願いします。」
と伝えると、
「ぜんぜんこってないですね〜(笑)」
と言われてしまいました。
10分間のマッサージは僕にとってはただの苦行でしかなく、逆に体がこってしまいそうだったので10分しかないにもかかわらず途中でやめてもらいました。
暇つぶしプロジェクト、今日もあえなく失敗。
孤独のグルメ、てもみんがダメとなったら残される手段はもうコレしかありません……。
以下の記事に続きます。