僕が新卒で入社した会社は誰しもが知っている超有名大手企業でした。
一部上場企業で地元の友達に自慢できるし、ボーナスや給料といった待遇もそこそこ良い。
そんな一流企業と言われる会社を1年で辞めてしまいました。
周りからすると、
「え、なんで?!」
って思われるかもしれませんが、僕もそんなちょっとやそっとの理由で辞めることはしません。
理由はいろいろあったのですが、その間にさまざまなつらいことや葛藤、苦しみ、そして考えが変わったことがたくさんありました。
そんな僕の新卒入社から退職までの1年間のことをお話します。
入社の1年前
僕の頃の就職活動は、だいたい卒業1年前の冬から始まります。
企業の採用活動が(確か)年明けの1月から解禁されるため、冬休みになるとエントリーシートを書いたり、自分の行きたい会社を探したりします。
僕がいた高専という学校は就職に強いと言われており、数百社が載っている就職先リストから選ぶとだいたい推薦してもらえました。
というのも高専は中学を卒業してからの5年間で専門知識を叩き込まれ、企業からすると即戦力になるということで信頼があるようです。
なので就職活動といってもだいたいの人はその就職リストから企業を選んで、そのまま会社が決まっていきます。
就活戦争という戦場で戦いを挑まなくとも、先回りして旗をとることができるシステムになっていました。
そんなもんだから
「ぶっちゃけ余裕でしょ」
なんて調子に乗っていました。
先生からしても学生からしてもこんな楽なことはありません。
しかし、その年はいつもと状況が違いました。
就職氷河期にブチ当たる
僕の年以前の数年間は景気が良く、「売り手市場」と言われていました。
正直いうと、余裕です。
実際、前の先輩の話や先生の話を聞くと、どう考えても余裕なのです。
そんな就活を始める年に、異変が起きました。
2010年卒となる僕の年は、「就職氷河期」と言われ、内定率がここ数年間で最低の年となったのでした。
それは突然の話でした。
世界的金融危機やリーマンショック等の影響により景気は後退した影響と言われていますが、そんな一瞬で就活の状況が変わるのが不思議でたまりません。
1ヶ月前まで「売り手市場」なんて言われてたじゃないか。
実際のところ、その影響は目に見えて現れました。
就職先リストは前の年の半分になっていました。
先が見えないため今年は採用しないという企業も多かったのです。
その年、「内定取り消し」という言葉もニュースで数多く取り上げられるようになりました。
なんで自分の年からこんなことに……!!!
正直、腹が立ちました。
しかし景気は自分でどうにかできるものではありません。
運が悪かったです。
クラスの中も一瞬にして不安が立ち込めました。
僕がもともと狙っていた会社
就職先リストは過去のものも遡って見られます。
なので毎年かかさず、僕の学校へ募集が来ている会社もすぐにわかります。
その中に僕が狙っている会社もありました。
それはとあるウェブ系の開発を手がけている会社でした。
僕はもともとプラグラミングが好きで、とくにウェブ開発は個人的に独学でやっていたくらい好きだったので、ぜひこれを仕事にしたいと考えていました。
しかし高専からの就職は電機メーカーや通信会社がメインで、プログラミングができる会社はソフト開発系が多く、そもそもウェブに関わった仕事ができる会社は一握りでした。
もうそうなると他の会社は眼中にありません。
その会社に絞って応募する意外まったく考えられません。
就活が始まったらすぐにその会社に応募しよう。
そう考えていました。
ない!!!
秋になると就職先リストが出揃ってきます。
今年のリストも見られるようになったと聞いて、さっそくPCを開いて学校の学生だけが見られるサイトにアクセスしました。
前の年に比べて明らかに少ないのはすぐにわかりました。
でも僕が狙っているあの会社は必ずあるに違いありません。
毎年かかさず募集リストに入っているのですから。
あれ…
アレ?
あれれ?!
ない!!!!!
どこを探しても目当ての会社の名前がありません。
これだけ全体の会社の数も減ったのですから、なくてもおかしくはないというのは考えたらすぐわかったことでした。
それでも何度も目を通してないことを確信しました。
また就職氷河期を恨みました。
これからどうしようかな。
就活に対しての不安が一気に押し寄せてきました。
余裕だった就職活動のはずが一転、これから1ミリも考えていなかった就活の戦場に飛び込むことになるのでした。
以下の記事に続きます。