この記事の続きです。
1話目はこちらです。
少しずつ新しいチームにも慣れてきて、仕事が落ち着いている頃、チーム全体での飲み会がありました。
広い範囲のメンバーが集められ、こんな大人数で飲み会が行われるのは久しぶりのこと。
もちろん僕も参加です。
やはり全体的に若くて年齢が近いだけあって、みんな仲が良く、楽しいものでした。
久しぶりに普段話さない仲間と仕事の話をしたり、プライベートの何気ない会話で盛り上がっていたり、時間が経つにつれてみんなの声も大きくなっていきます。
大きな個室での飲み会だったので、みんな席を交代しながら行ったり来たりして楽しんでいました。
久しぶりの課長との話
飲み会の中盤になると、たまたま課長の席の近くになりました。
普段の業務でなかなか課長とおしゃべりすることはありません。
そういえば課長とまともに話すのはこのチームに入る前のタクシーの中での会話以来で、久しぶりのことでした。
「最近はどう? 慣れた?」
そんなことを最初に話しかけてもらった覚えがあります。
僕はあの夜のタクシーの中での会話を思い出していました。
課長は僕が入ることを承認してくれたものの、頑張ってはいるつもりでしたがまだまだ仕事ができているわけでもないし、慣れていないことが多くてチームの役に立てているかといえば全く自信がありませんでした。
僕はその課長が好きだっただけに、なにか期待に答えられていないような気がしていて、思わずこんな不安を話してしまいました。
「あまり役に立てていないけど、今のような感じで大丈夫なものでしょうか?」
課長はすかさず言いました。
「大丈夫。焦る必要もないし、新人は今からいろんな人の普段の会話を聞いておいて、勉強して、いつでも動けるようにしておいてね。」
そんなことを言われて少しホッとしました。
正直、その頃は焦っていました。
少し上の先輩がいろいろな仕事を任されているので、1, 2年後に自分もそうなれるのかと考えたら全く想像がつかなかったからです。
だけどそれでもこの待機している時間が問題ないのであれば、少しは安心できそうです。
思えば新しいチームに入ってからの1ヶ月、自分が早く役に立ちたいと必死になっていました。
焦って空回りしていたかもしれません。
しかし、課長と話したこの出来事があってからは、焦らず周りの流れに合わせてのんびりやってみるのも良いのかもしれないと思うようになりました。
郷に入れば郷に従え。
僕が想像していた仕事の働き方と大きくかけ離れていたようでした。
良くも悪くもそれはゆるいものでした。
そんなところで、新人の何もわからない自分が、自身の理想と近づけるためにあれこれ動いたところで空回りするだけなのかもしれません。
最初に入社した会社が常識になる
大きな組織にありがちですが、仕事が分業制になっていると、誰かの仕事が進まないと次の人に仕事が回ってことないことも多々あります。
そんな環境にずっといると、受け身で、しかもこの仕事のスピードが当たり前ということに慣れてしまいます。
しかし僕が次に転職したベンチャーの会社では、それが全くと言っていいほど違っていました。
一人一人の裁量が大きく、社会人になって間もない自分にも入社した瞬間にひとつのシステムの管理を任せられ、1ヶ月1ヶ月、毎月 成長が感じられました。
仕事のスピードは3倍、いやそれ以上かもしれないというくらい。正直大変です。
しかし、自分の時間をムダにしないようにすることを意識するよう普段から意識づけられ、毎日忙しく、だけどイキイキと働いていました。
今まで何社か経験してきましたが、全ての会社で働き方には雲泥の差がありました。
何も考えずに社会のシステムにのって、新卒で採用された会社に入ると、どうしても最初に就職した会社が常識となりがちです。
僕自身、新卒で入社した会社が全てだと思っていました。
しかし会社によって、働き方のスタイル、仕事の考え方、リスクの取り方、成長スピード、上下関係が真逆と言ってもいいほど違いが出ます。
ある会社で良しとされているものが、他の会社ではNGであるというくらい会社によって色の濃淡が表れました。
だから万が一、今の会社が自分に合っていないと感じていたとしても、必ずしもこれが全てだと思う必要はないのかもしれません。
もちろん全ての会社で学ぶことはありました。
今の会社が自分に合っていないからといって、会社のせいにすることはあまり望ましいことだとは言えませんが、それに甘えず今学べることは学んでおいて、次の会社にステップアップしていくことは何も後ろめたいことはないのではないかとそう感じています。
以下の記事に続きます。