この記事の続きです。
1話目はこちらです。
あれから数ヶ月が経ちました。
さすがに新しいチームにも慣れ、仕事も相変わらず忙しかったり忙しくなかったり。
そして不況の波も相変わらず会社のいたるところで見られ、電気代や設備をケチったり、○○の部署が今月赤字だとかなんとかをよく耳にするようにもなりました。
唯一変わったことと言えば、僕が大きなプロジェクトに入ったことです。
全容を知らないのでハッキリとはわかりませんが、それはおそらく100人を超える大きな案件でした。
出張の日々
お客さんの拠点が地方にあるため、毎週のように出張が続きました。
数日、地方に滞在して帰ってきてはの繰り返しの日々です。
週末は家に帰れないこともしばしばありました。
出張先では待機している時間が長いのでそれほど忙しくないのですが、毎週、飛行機や新幹線やホテルを予約して行ったり来たりするのがせわしなく、あっという間に1ヶ月、そして2ヶ月が過ぎていきました。
初めてひとりで出張へ
そんなときに、とうとうひとりで出張に行くことになりました。
だいたいは2人で行くことがほとんどだったのですが、人員が足りず、どうしてもひとりで行かざるをえなくなってしまったようです。
生まれて初めてのひとりでの出張。
前日からすでにドキドキしていました。
というのも、出張先の工事会社がネットワーク機器の設置を行い、僕は設置された機器の設定を行うという役割分担となっていました。
ただ、結構な確率で機器がうまく動かないだのなんだので、トラブルになることが頻発します。
それをうまくやり取りできるのか、巻き取れるかが心配でたまりません。
僕が親会社の人員になるため、現地の工事会社のほうでトラブルがあったときも自社とやり取りする必要があるからです。
しかもこれは会社の重要なプロジェクト。失敗はできません。
だから必ず2人以上が同行して行っていたのですが、それを急にひとりでやるなんてことになったら、前日から気が気でないのです。
「どうかトラブルが起きませんように。」
祈る気持ちで出張が始まりました。
出張当日の朝
朝早く東京から飛行機で出張先へ向かいます。
向こうの空港からさらに電車に乗り、宿泊先のホテルに大きな荷物を置いて、パソコンだけ片手にバスを乗り継いで、お客さんのところへ向かいます。
バス停を降りると、そこは中心の街から離れた田舎が広がっていました。
現地の住民から、
「おはようございます。」
と声をかけられ、少し元気が出ました。
ここから長い1日が始まろうとしています。
現地で作業開始
お客さんの施設に到着すると、すでに現地の工事会社の方が2人、入り口のところに立っていました。
「今日はよろしくお願いします。」
と挨拶もほどほどに、すぐに淡々とそれぞれの作業に向かいます。
最初の機器の設置は工事会社の方が行うため、僕はそれを見ているだけで午前中はひとまずのんびりしていました。
客先で何もしていないのも手持ち無沙汰な感じだったので、今日の作業をもう一度確認するなどします。
(うん、大丈夫だ。)
デモンストレーションは完璧。
今日が無事に終わるイメージは頭の中ですでにできていました。
(このまま今日は何事もなく終わりそうだなあ。)
なんて安心していたそのとき、問題が発生します。
以下の記事に続きます。