新卒で入社した超有名大企業を1年で辞めた話 その5(母親がこっそりお金を貯めていた理由)

▼この記事の続きです。

新卒で入社した超有名大企業を1年で辞めた話 その4(親から上京を反対される)

2017.03.17

 

▼1話目はこちらです。

新卒で入社した超有名大企業を1年で辞めた話 その1(就職氷河期に巻き込まれた)

2017.03.14

 

前の記事で母親の愛情が偉大だという話をしましたが、そう思うのはやっぱりそんなエピソードがたくさんあるからです。

これは僕が学生時代のときの母の貯金箱の話です。

 

母親の貯金箱

僕の母が昔からお金を貯めている貯金箱がありました。

それは100円玉でいっぱいにすると10万円が貯まるという貯金箱でした。

 

僕が物心ついた頃にはすでにあったので小学生の頃からあったかもしれません。

それくらい昔からあったけど、家に貯金箱があることは自然なことだと思うし、とくにそれについて深く聞いたことはありませんでした。

棚に置いてあったので小さい頃、たまに振ってみては

「ぜんぜん溜まってないなー」

なんてことを言ってた記憶があります。

 

それを聞くと母親は笑っていました。

 

貧乏だった記憶

前にも話しましたが家はあまり裕福ではなく、お金については常に困っている状態でした

 

夜、寝る前に母がたまに神妙な面持ちで貯金箱のフタを開けてお金を出しているのを見かけたことがハッキリと印象に残っています

せっかく貯めたのに貯める意味がないじゃないか、となんとなく思っていたけど、とくに触れたことはありませんでした。

聞かないほうが良さそうなことだということは子供ながらに気づいていました。

 

今だからわかることですが、本当にギリギリの生活になっていたときがあり、その貯金箱からお金を引き出して生活の足しにしていたようです。

だからある程度 貯まっても引き出しては、の繰り返しで結局いっこうに貯まっていくことはありませんでした

 

今思えば、本当にお金のことを常に考えながらつらいギリギリの生活を送っていたんだと思います。

父は残念ながらそういったことに無頓着で、母親の当時のストレスは大変なものだったと思います。

 

何気なく聞いた

僕が春から高専に入学して寮生活となるため、実家を離れる少し前のことでした。

 

毎日母親は僕の寝床に来てはテレビを観て寝るのが当たり前になっていました。

部屋に来てもとくに何かするわけではありません。

たまに話してみたり、話さなかったり、基本的にはテレビを見て一緒にいました。

 

息子が家を離れるのが寂しかったのかもしれません。

だから僕も何も言わずに一緒に過ごしていました。

 

そんなときに何気なくずっと気になっていたことを聞きました。

あの貯金箱のことです。

 

とくに深い意味はないだろうと思っていたし、僕もなんとなく会話の流れで話してみただけでした。

だけどそれは思いがけなかった答えでした。

 

「お金が貯まったら家族みんなでディズニーランドに行きたい。」

 

それを聞いた瞬間、僕はいろいろなことが頭を駆け巡りました。

生活に余裕がないのでもちろん家族でディズニーランドに行ったことなんかありません。

 

母が普段から考えていることや、子供への愛情、一心に背負って家族を支えていたことの全てがこれに現れていました。

母はいつも一生懸命で、家族や子供のことを考えてくれていました。

 

それなのに

「うちはなんでお金がないの?」

とか、

「近所のあの子は、こないだあんないいところに行ってたよ」

とか、ワガママばかり言っていたなあ、それを聞いて母は何も言ってこなかったなあ、ということを思い出して、なんでそんな心にもないようなことばかり言ってしまっていたんだろうと後悔しました

 

そう考えたら僕は母親に何もしてあげられなかったなーとか、このまま何もせずに家を離れるなーとか、反抗期の頃のこととか、いろいろなことが頭を駆け巡りました

 

社会人になったら最初の給料で必ずディズニーランドに連れて行こうと誓いました。

 

今のこと

今は子供もみんな社会人となり、実家には祖父母と両親がのんびり暮らしています。

離れて暮らしていますが、母の日だけは毎年かかさず贈り物をします。

 

余談ですが、葬式は亡くなった人のためじゃなく、今生きている残された人たちが気持ちに整理をつけるためや、生前に亡くなった人に対してやってしまった後悔を晴らすためだということを聞いたことがあります。

 

僕も母の日に贈り物をするのは、自分の中にあるあのときの後悔を晴らすための自分よがりの考え方なのかもしれません

今までの恩は返しても返しきれないけどそれが、僕が母の日に毎年かかすことなく贈り物をしているせめてもの理由です。

 

就活の話に戻ります

そういう親の気持ちを考えると、東京に離れて就職するという選択肢は少し迷いました。

ましてや反対されているとなると、すぐに答えを出すことができないのでした。

 

▼以下の記事に続きます。

新卒で入社した超有名大企業を1年で辞めた話 その6(採用試験を受けにいざ東京へ)

2017.03.21

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2 件のコメント

  • 余談の方に対するコメントなのですが・・、
    「葬式は亡くなった人のためじゃなく、今生きている残された人たちが気持ちに整理をつけるためや、生前に亡くなった人に対してやってしまった後悔を晴らすためだということを聞いたことがあります。」
    これは親を亡くした経験談として、本当にそうなんですよ~~。
    我が家の場合親せきが遠方なので、優しかった故人が、残された親戚とのご縁を繋ぐものとなりました。
    子供の頃法事をする意味がわからなかったですが、親を亡くしてその意味を実感することになりました。
    愛情深いお母さまを持たれて、幸せですね♪

  • > ミニョン さん
    いつもありがとうございます!
    やはりそうなんですね。
    物心ついてから近い身内での不幸は今のところありませんが、僕もそれを理解するときが来るのかもしれません。