親から上京して一人暮らしすることを反対される【会社を辞めた話 第4話】

この記事の続きです。

進路相談の先生の話はムシして、ダメもとで入りたい会社に応募する【会社を辞めた話 第3話】

 

1話目はこちらです。

新卒入社した一部上場企業を1年で辞めた話【会社を辞めた話 第1話】

 

実家に帰って親に今の就職活動の状況を伝えると、返ってきたのは思いもかけない返答でした。

 

上京することを反対されました。

 

僕はなぜそんなことを言うのかしばらくよくわかりませんでした。

 

親の言うことが理解できなかった僕

確かこんなことを言われた気がします。

「東京は危ない。」

「心配だ。」

「地元でも働くところはあるよ。」

「なんでそんなところに行こうとしているのか理解できない。」

 

僕は全く理解できませんでした。

実際、そのときすでに実家を離れて寮で暮らしています。

ここで心配されて止められるのはいまさらすぎるし、地元だと自分のやりたいことが実現できる会社は少ないです。

 

そしてそんなことより何よりも一度でいいから都会に出て、自分が聞いたことのある名の知れた会社で働いてみたかったのです。

 

修学旅行や、友達と旅行で行った東京。

今までに見たことないような高い建物、大勢の人ごみ、発達したインフラ、美味しいお店、全てが新鮮でキラキラして見えました

行けば行くほど東京への憧れが強くなっていき、自分の中で何かとても特別なものになりました。

 

確かに心配する親の気持ちもわからないわけではありません。むしろありがたいものだと思います。

 

でも思い出してみたら高専の入学を決めたときもそうでした。

あのときも心配だと言って両親が納得するまでにはしばらく時間がかかりました。

 

うちが貧乏だった話

話は変わりますが、うちは貧乏でした。

いつもお金がないという話を聞かされていたし、ふだんからお金がなくて○○ができない、といったようなことが日常的につきまとっているのを感じていました。

いつしか無意識のうちにお金のことを心配しながら、生活していた記憶があります。

 

そんなこともあってか、高専は授業料が安く、就職も有利ということでそこに入学を決めたというのもひとつの理由にあるし、大学にいかなかったのも親にこれ以上負担をかけるのは悪いなという気持ちがあってやめたのもひとつあります。

 

ただ、貧乏というのは不幸だとは思いません。

実際それが当たり前であれば何も感じないし、幸せに暮らすことができていたと思います。

(まあ、貧乏といっても明日の電気代も支払えないほどではなかったので……)

むしろ些細ことにまで人一倍幸せを感じられる心の豊かさを持てるようになると思います。

過去に同じように貧乏だった人はなんとなくオーラでわかります(笑)

 

だけど、お金がないというのは生きていくうえで不利なことも増えます

こうやっていざ外に出たいといったときにお金がなくて我慢するのはひとつの経験や選択肢を失うことになります。

そして経験が少ないということは、その分新たな変化に直面したときに対応できなくなる場面も増えるということです。

 

実際、息子が都会に出たいといったときに対応しきれません。

小さく小さく生きていくのが当たり前になります。

ただ、時代の変化は加速しており、いつまでも小さく生き続けることは難しい世の中です。

ちょっとした社会の変化で路頭に迷う可能性だってなくはないのです。

ここで言われるがままに従っていくことはきっと負のスパイラル。みんなで気付かないまま少しずつ不幸になっていきます。

お金がなくても心の豊かさは広げられるけど、心の養分を満たすにはお金だって必要です。 

 

だから、お金持ちにまではならなくてもいいけど、貧乏にはなりたくありません。

 

話を戻します

本当に心配してくれるのはうれしいのですが、改めて考えてみれば実際に頑張らなければならないのはこの僕です。

ここで息子が上京するのを止めるのが本当の愛情かと言われると、ちょっとわかりませんでした。

 

ましてやいざ、就職するときになってあまりに心配されると、僕も出鼻をくじかれた気分になり、少し腹が立ちました。

 

こんなに望まれていない中で、わざわざ東京へ行く必要があるのか……?!

 

とさえ思うようになりました。

 

今、現在だからわかること

あのときはいろいろ言われましたが、今は逆に親からは

地元は働くところがないから帰ってくんな

と言われるくらい正反対のことを言われるようになりました。

 

結局のところ、人の意見なんてものはすぐに変わっちゃいます

そのときに感じる さびしいだとか、不安だとかっていう感情で心もとないことを言われることはあります。

それに影響されて人の人生が変わることだって往々にして起こりえることです。

 

だからといって別に誰かが悪いと言っているわけではありません。

さびしい、心配、不安という感情は勝手に沸き起こってくるものだし、自分でコントロールしきれないときだってあるでしょう。

 

だけどそれにいちいちかまっていたら幸せになるどころか、不幸を招くことだってあるのです。

外に飛び出してみると、その分だけ強くなれます。

 

事実、僕が東京に出て行って数年経った今、地元に帰ってくんなって感じだし、東京に遊びにいこうかな〜なんてことも言われます。

慣れてしまえば周りの言っていたことは想像以上にたいしたものではなかったことにも気付きます

 

だからいちいち他人の顔色を伺って行動しないのはもったいないと思うようになりました。

ただ、自分の思うようにやった結果、うまくいかなかったときは他人のせいにしてはいけません。

全部自分の責任です。

その覚悟さえあれば行動してみたほうがうまくいくとそう思っています。

 

やっぱり親の存在は偉大

先のことを言っておくと、いざ東京に出てくるときは母親が仕事を休んでついてきてくれました。

反対を押し切って上京したけど、東京に出て間もない頃は、定期的に連絡を送ってくれたのがとても心強かったです。

とくに母親の絶対に裏切らない愛情は偉大すぎるなーというのが大人になってから感じることのほうが多かったです。

その話はまた先で話したいと思います。

 

ふだん感謝の気持ちを伝えることはないけれど、毎年、母の日には花とお菓子をかかさず送っています。

 

いつか、

ありがとう

と、感謝の気持ちを言葉で伝えられるようになりたいです。

 

以下の記事に続きます。

母親がこっそりお金を貯めていた理由【会社を辞めた話 第5話】