この記事の続きです。
1話目はこちらです。
新学期が始まるも結果は出ないまま
4月になり、新学期が始まりました。
春休みはあっという間に終わり、自分が受けている会社の選考のほうはというと、まだ2次面接の結果待ちでした。
春休み中に内定をもらうなんてことはそもそも無謀なことでした。
4月になったということは推薦応募が始まります。
高専は企業から即戦力の人材採用ができるという点で評価されており、学校に来ている求人リストから応募すれば、推薦応募という枠で応募できて選考を優遇してもらえ、かなりの確率で内定をもらえるのでした。
その代わり一度推薦応募して内定をもらったら、他の会社から内定をもらったとしてもそこへ行くことは許されず、その時点でその会社へ入社することを約束しなければならないという暗黙のルールがあります。
そうやって高専と企業は信頼を築いてきました。
また、推薦は同じ会社に何人も受けることはできないため、早い者勝ちです。
企業側の採用計画もあるため、ある程度募集人数に到達したら当然 募集を終了することになるのはもちろんのことであり、とにかく早く応募したほうが有利なのは間違いありません。
なので推薦応募する前に今受けている会社の結果をなんとしてでも早く知りたかったのですが、まだ結果がいつもらえるのかもわかりません。
もし結果がダメだったらダメであきらめて推薦で応募すればいいのですからとにかく1日でも早く結果を知りたかったのです……。
逆に結果が出ない今、ここで推薦応募して内定となると推薦応募の拘束力によって、先に受けていた方は内定をもらったとしてもあきらめるほかありません。
ここで推薦応募をするかどうか迷いました。
推薦はもう少し待ってから応募するという手もあります。
出した結論
非常に悩ましい問題でした。
この選択によって大きく人生が変わるかもしれない。
重要な岐路に立たされていました。
ただ何日も悩んでいたら推薦応募すらできなくなってしまうかもしれません。
就職氷河期で募集人数も減っています。
今受けている会社の選考はいつまで続くかわかりません。
そのうえ進路相談の先生からは
「推薦どこにする?」
と答えを促されている状態。
そして出た結論は
推薦で応募する
という判断でした。
「時間」に負けた
思い返せばこの数ヶ月、先生や親に反対されたうえでなんとか応募し、東京と地元を往復してきてそれでもまだ先は見えず、精神的にもつらくなってきていました。
それだけでなく、東京を何度も往復していてお金もずいぶんかかり、これ以上親に迷惑をかけられないというプレッシャーで早く結果を出さなければならないという感情が重くのしかかっていました。
推薦を応募して内定をもらってしまえば、僕が本当に行きたかった会社に入ることを諦めなければなりません。
しかし今は、この現在おかれているつらい状況を早く脱したいという感情のほうが上回ってしまったのです。
それでもこんな就職が厳しいときに、推薦で名の知れている企業に応募できるのは正直言うと、こんな贅沢なことはないかもしれません。
メディアで就職氷河期について取り上げられており、「どこでもいいから入りたい」って言ってる人もいる中で高望みしすぎているのかもしれません。
ただそれで妥協していては絶対に夢が叶うことはないのです。
可能性があるならそれを信じてやり続けた人が望んだ結果を勝ち取ることができます。
だけど多くの人は時間に負けてしまいます。
時間が経てばたつほど不安になったり、「もういいや」となって脱落していく人が増えていきます。
結果を出すために必要な要素は努力や実行力だけではありません。
「時間」というものが必要です。
人の力によって時間を早めたりすることは不可能なのです。
あと少し時間が経てば何倍もの大きな成功が得られるにもかかわらず、今の安心や結果を求めて成功をつかめないまままたいつもの日常を過ごすことになるのです。
今回の僕も例外ではありません。
まさに「時間」というものにあえなく負けてしまったのでした。
推薦応募で面接へ
4月の2週目にとある大手企業に推薦応募したところ、5日後に面接に行くことになりました。
この1ヶ月で東京を何度も往復しているので慣れたものでした。
会社を訪問すると、若い男の人が出迎えてくれました。
奥のほうへ通されて、
「ここから面接なので、この部屋にノックして入ってください。」
と言われました。
えっ、いきなり?!
着いた瞬間、休むことなく面接が始まりました。
部屋の中に入るといかにも会社の重鎮と思われる4人の男の人が座っていました。
ここからは緊張していて何も覚えていません。
気づけば帰りの羽田空港にいました。
面接の次の日
その次の日に結果が出ました。
内定
推薦に切り替えたとたん、1週間で就職活動が終わりました。
ホッとしたのが半分ですが、これで僕が望んでいない会社に入ることが決まった瞬間でもありました。
あっけないものです。
今までの苦労はなんだったんだろう……というくらい一瞬でした。
高専が就職に強いと言われる理由がよくわかりました。
ひとまず決まったことは良かったのですが、思い通りの会社へは入れなかったこともまた事実。
正直いうと、
これでよかったのだろうか……
と、モヤモヤした感情が渦巻いていました。
しかしいちおう技術職として採用されており、募集要項でも「プログラミングができる人を優遇する」という事項がありました。
ウェブに関わる仕事が良かったのですが、今となってはとりあえずプログラムを扱う仕事に関われるということだけが唯一の望みでした。
それだけで少し頑張れるような気がしてきました。
しかし、入社してからその望みもことごとく打ち砕かれることになろうとは思ってもみませんでした。
以下の記事に続きます。