今日の金曜ロードショーは、サマーウォーズ!
というわけで、あらすじと、ネタバレ、考察を書きます。
この映画は何回か見たことがあるのですが、個人的には細田守 監督作品の中で一番好き。
もうやりたいことを全部詰め込んでる感じなのがいい!
誰が見ても面白いとは思いますが、とくにOZやラブマシーンといった世界観はエンジニアとかITに興味がある人だったらさらにワクワクするんじゃないかと思います。
今やマイナンバーによって国民一人一人が管理され、仮想通貨なんてものでお金までデジタルに置き換わっていこうとしている時代に、いつかこういう時代が来て、こういう問題が起こりそうだなあというリアルが描かれた映画。
そんなサイバーな部分と、現実世界の人情あふれる物語との融合が味わい深く、面白くて見てよかったと思える作品でした。
目次
あらすじ
世の中のインフラが全てITで管理された世界で、ネットが混乱し、それによって現実の世界に危機が訪れる映画。
世界を救うために立ち向かっていくさまが描かれているのですが、これだけ聞くとSFチックな感じのようで、だけど超リアル。
天才的な数学力を持ちながらも内気な性格の小磯健二は、あこがれの先輩・夏希に頼まれ、長野にある彼女の田舎へ。そこで二人を待っていたのは、大勢の夏希の親せきたちだった。しかも、健二は夏希から「婚約者のふりをして」と頼まれ、親せきの面々に圧倒されながらも大役を務めることに……。
OZの世界観と細かな設定がよくできてる
知らずに見ると冒頭でいきなりOZの世界観が出てきて、
なんだこれ? こんな映画だっけ?!
って危うく見るのやめようってなるところでした。
ちょっと進めると、
ああ、そういうことか〜
ってわかるのですが、これがよくできてる。
設定がしっかりしているので、SFなんだけどなんか妙にリアルで引き込まれます。
あと、この世界のアバターが若干 無機質でカラフルな色使いなのも不気味で面白い。
現実で近いのは Facebook ですかね。
そのアカウントが全国民に与えられていて、そのアカウントでコミュニケーションや仕事によって関連する情報操作の権限が持てるといった感じになったのがOZの世界。
この映画が出た当初はまだスマホなんてものはそこまで普及していなかったのですが、考えてみると最近ではマイナンバーで住民がデータにされ、Facebook や LINE で当たり前のようにコミュニケーションをとるようになった今、少しずつこの世界に近づいてはいるとしみじみ感じる。
で、人工知能によって作られた悪いキャラがOZの世界を荒らし始めるのですが、これがコンピューターウィルスと考えたら、こいつを倒すためにみんなで協力して閉じ込め水で封じ込める描写はまさしく、エンジニアが協力してバグ修正を行っているさまをわかりやすく抽象化にした感じで、エンジニアをやっていた身としては面白く見られました。
人工知能の悪魔
人工知能によって証券会社のトレーダーが解雇されるようになった話も出るくらい、最近はこの技術が実用化されるようになってきました。
今でこそ人工知能という言葉をニュースでも聞くようになりましたが、その頃はまだ世間にはあまり出ておらず、今思えば時代を先取りしていたと言えます。
先進的な技術は人類の生活が豊かになる一方で、使い方によっては悪いこともできてしまいます。
アナログからデジタルになっても悪さを企てるのはやっぱり人によるもの。
また、とくにインターネットが広い層に浸透したことで、今までよりも一人の悪さが大きな範囲に波及することも起こりえるようになったという問題もここであらわになっています。
結局は人と人との交わり
自然災害なんかはどうしようもできないですが、何もないところにポッと何か不都合な問題が現れるときは、問題の元をたどるとやっぱり人によるもの。
いくら問題が解消されてもまた悪いことを考える人が現れたらいたちごっこで、最後はやっぱり人と人との交わりが解決の糸口になります。
おばあちゃんが一人一人に電話であきらめないように呼びかけているシーンが印象的でした。
黒電話でアナログ感が出ているのもまた味わい深い。
最終的に健二がかっこよく見える
「よろしくお願いしまああああぁぁぁぁす!!!」
ツイッターが確実に荒れるシーンも健在(笑)
このへんまで来るともう頼りなかった健二がかっこよく見えてきます。
もともと国際数学オリンピックの日本代表を狙えるくらいの高スペックで、夏希にも好かれるようになり、うらましい限り。
いやー、うらやましい(笑)
そんなデジタルとアナログの融合、田舎の雰囲気、人情あり、そして恋愛と、現代に忘れがちな心を思い起こさせてくれる映画「サマーウォーズ」でした!
DVD
文庫
コミック
サウンドトラック