この記事の続きです。
1話目はこちらです。
2011年3月11日の朝。
いつものように出張先のホテルで仕事の準備をしていました。
今日はたまたま午後からの作業となったので、ゆっくり起き出し、いつもの食堂でランチをすませ、バスで客先へと向かいます。
客先の会社に到着
段取りはいつも変わることはありません。
施設の入り口であいさつをすると、いつものように担当の方が出てきてくれるはずです。
しかし、今日だけいつもとようすが違っていました。
僕: 「こんにちはー。」
僕: (ん、誰もでないな……。)
しばらく待ちました。
何やら中は騒がしくしているようです。
そして、見たことない人がでてきました。
僕: 「あの、今日も作業にきました……。」
知らない人「すみませんが今日はこのまま帰って大丈夫です! それよりニュース見ました?! 大変なことになってますよ!」
そこで初めて大きな地震が起きたことを知りました。
当時、幸いなことに僕は離れたところに滞在していたので、揺れは全く感じることはありません。
そのためか、大地震と言われてもまだピンときていませんでした。
お客さんの会社は全国に拠点があり、地震が起こった拠点が大変な状況になっているらしく、みんなあわただしくしていて、なにやらただごとではない雰囲気だということはわかりました。
僕の想像をはるかに超える事態になっていようとはこのとき全く考えてもみませんでした。
知らない人「キミは出身はどこ?」
僕: (なんで出身地聞くんだろ……)
僕: 「石川です。」
知らない人: 「それなら良かった。いま住んでいるところは?」
僕: 「東京です。」
知らない人: 「あー、しばらく帰れないかもね。」
僕: (え、どういうこと……?)
そこで初めてなにかとても大変なことになっている予感がしました。
なぜかわからないけど胸がドキドキして止まりません。
その日は結局すぐに解散となり、出張先のホテルに戻りました。
テレビで初めてニュースを見る
出張先のホテルに戻るとすぐさまテレビをつけました。
震度7
見たことないような大きな赤文字がテレビの端に映し出されていました。
宮城県で震度7を観測したとのことでした。
震度6までは今まで見たことありましたが、震度7という文字をテレビで見るのは初めてのことです。
ヤバいことになってそうだ……。
なんてことを思ったのもつかの間、
そういえば東京のアパートは無事だろうか……
と不安になりました。
東京に戻りたい
親や親戚から電話がかかってきました。
僕が無事だということを知ると安心していました。
とにかく今は東京のアパートが心配でした。
映し出されるのは地震の発生した場所のようすだけ。
僕のアパートがどうなっているかはそこからわかりません。
明日は土曜日。
出張中だったのですが、ちょうど来週から1週間、1年目研修というものがあるようで、奇跡的に家に帰る予定だったのです。
しかしこの状況で帰れるかもわかりません……。
その日の夜
住んでいるアパート以外は正直そこまで不安ではありませんでした。
過去に震度6を経験したこともあるけど、そこまで大きな被害はなかったし、少し被害はあるかもしれないけどたかが知れてるだろうなんて、このときはのんびりしたことを考えていました。
そんなときに一緒に出張に来ていた先輩から「これから飲みに行こう」と誘われました。
いてもたってもいられなかったのでしょう。
飲みに誘ってくれるのは珍しいことでした。
みんな気持ちは同じです。
僕もホテルでテレビを見ていても地震に関するニュースばかりで、完全に手持ち無沙汰状態。
言われるがままについていきました。
話題はもちろん地震の話になりますが、このとき震度7の地震が発生したということ以外、詳しい状況がわかっているわけでもなかったので、あとは今後の仕事の話をしたり、酔っ払っていつの間にか楽しくなっていました。
このとき想像をはるかに超えて大変なことになっていることも知らずに……。
その日は気持ちよくなって、帰ってそのまますぐに寝てしまいました。
以下の記事に続きます。