裏社会を描いた漫画「闇金ウシジマくん」が面白い。「フリーエージェントくん」編のネタバレ感想

カネ、女、権力……

人間の欲求には逆らえないのでみんな少なからずなにかしらの憧れを持っているわけですが、ときにはそれがエスカレートして犯罪になるケースも起こりえます

 

そんな裏社会の闇で巻き起こる人間模様を描いたマンガ闇金ウシジマくん」が興味深い。

 

これがまたね……友達で一人くらいいるんじゃないかってくらい、本当に起こりそうな身近な社会のウラがテーマになっているので、けっこう面白く読めます。

 

とくにこのマンガの30巻~32巻にかけて出てくる「フリーエージェントくん」編が面白かったので、ネタバレ感想を書きます。

最初から読まなくてもここの巻だけ読んでも内容についていけます。

 

「闇金ウシジマくん」の「フリーエージェントくん」編のあらすじ

「フリーエージェントくん」編では、時給900円の人材派遣の現場で働いている将来が不安な男にスポットが当てられています。

 

この男が、高額塾や高額セミナー、情報商材のセールスに足を突っ込んで、それにどんどんハマっていきます

 

このビジネスの首謀者は何を隠そう「ゼロからたった9ヶ月で月収1億円突破」で話題の天生翔

もう明らかに「秒速で1億円を稼ぐ男」の与沢翼さんがモデルです。

 

物語に出てくる手法がかなりリアル

なにもインターネットで売られているすべての商品が悪質、ということではないでしょうが、現に今でもインターネットでそういった悪質な商品も売られ続けているのは、やっぱり買う人がいるからです。

その人たちがやっている手口は、ある意味マーケティングのプロの技であり、人の心理をこれでもかというくらいつついて、本当に気づかないうちに信じて騙されてしまうものです。

 

このマンガの中でも、

  • 私が稼いだ方法を教えます
  • あなたにもできます
  • 短期間でできます
  • これを逃すとチャンスはありません
  • 成功するには自己投資が必要です
  • お金はあとからついてくるので、今リスクを取っておいたほうが身のためです

みたいな文句で購買欲を高めてファンを増やし、顧客リストを集めます。

そして自分と同じことをすればお金持ちになれると信じこませて、どんどん商材を買わせていきます。

 

もうネットで調べればいくらでも出てきますが、高額な情報を販売する王道のやり口

 

もちろん世間に出ている良い商品も、ブランディングや宣伝が必要なわけで似たようなことをやっているわけですが、それが売り方ひとつで悪質な商品であっても売れてしまったりするので、買う側としてはウマい話と高額商品には注意しないといけないな、と考えさせられるテーマでした。

 

このリアルさは、作者の取材の努力の結晶

今回の「フリーエージェントくん」編以外にも、ホスト、風俗、出会いカフェ、テレクラのような身近だけど知らない社会のウラをテーマにした話が続いているのですが、これが全て作者が経験したんじゃないかってくらいリアル

 

このルーツは作者である真鍋昌平さんの並ならぬ取材力にありました。

 

今回の天生翔のモデルにあたる、与沢翼さんにも取材を行ったそうな。

よくOKしてくれたな……。

 

以下は、堀江さんとの対談から抜粋。

堀江 『闇金ウシジマ君』のストーリーというか企画って、誰が決めているんですか?

真鍋 まずは自分で決めて、そのうえで、そのテーマに詳しいライターを教えてもらいます。さらに、ライターの人やそのテーマに詳しい人から、元ネタになる人を紹介してもらって、もしうまくいったら直接自分で会いに行って取材します。あとはその取材した人と飲みにいって、友達との関係性などを見させてもらいながら、なんとなく形をつくっていきますね。

『闇金ウシジマくん』の企画はどのようにして作っている? 堀江貴文が聞く! 真鍋昌平-堀江貴文対談 Vol.2 – マンガHONZ

堀江 これまでの取材について聞きたいんですが、マンガのなかには怖い人たちがたくさん出てきますよね。例えば、クスリの売人とかどう取材したんですか?

真鍋 いまはもう止めていますが、前に売っていた時期がある人のお店に行くんです。飲み屋なんですが、そこに昔の名残で売人の人とかがよく来るので、お店の人から紹介してもらうことはありましたね。例えば、普通の若者―まぁ少し刺青とかはしていたくらい―だった人が、ある時いきなりやくざの人に末端価格で300万円分のクスリを「これ、売っておいて」と渡されて、そこからどんどん離れられなくなってしまった、という人がいました。その人の末路はかわいそうでしたね。

堀江 結局、どうなったんですか、その人は。

真鍋 結局、自分自身もウツになってしまって、精神病院かなにかに行っていたみたいですね。はじめは、その、クスリ自体を、なくしてしまったらしいんですよ。たぶん自分で使ってしまったかその類だと思うのですが。それで追い込みかけられてしまって、逃げざるを得なくなったみたいで。その後何年かして、その精神病院から戻ってきて、飲み屋に来ていたときに出会った、とそういうこともありましたね。

『闇金ウシジマくん』の企画はどのようにして作っている? 堀江貴文が聞く! 真鍋昌平-堀江貴文対談 Vol.2 – マンガHONZ

堀江 あの、生活保護の人っていうのも、実際に取材したんですか? 引きこもりでお腹のゆるかった…

真鍋 あれも取材しましたね。生活保護者が多いといわれてる地域に住んでいる方の元へ取材に行きました。若くして生活保護を受けてる人って精神病の治療を受けている人が多いんです。僕が取材した人もウツになって病院で薬処方してもらってるんですが、どんどん症状がわるくなってしまっていました。

『闇金ウシジマくん』はどのようにして始まったのか 堀江貴文が聞く! 真鍋昌平-堀江貴文対談 Vol.3 – マンガHONZ

ちょっと暗くなる話が多いですが、興味深いテーマなのでぜひ読んでみてください。

 

「闇金ウシジマくん」が読めるサイト

eBookJapan というサイトで期間限定でいくつかの巻が無料で読めるようになっています。

 

ブックパスでは月額562円でマンガ読み放題で、しかも30日間で読めば無料です。

 

 

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