受験、就職、転職、引っ越し、結婚、離婚などなど、生きているだけで選択だらけ。迷うシーンがあまりに多い。
細かいものも含めたら、今日のお昼は何を食べようだとか、何時に帰ろう、そろそろ寝ようかな、などなど、1日だけで何十回もの選択肢が求められる。
人生は選択によって決まるといっても過言じゃない。
だから選択する力というのは人生においてかなりの大部分を占める大事な要素だと思うのだけど、それがゆえに最善の選択をしたいと思って毎回悩んでしまう人がけっこう多い。
これについて一番困るのは、悩んでいる時間がムダになってしまうことが多いということだ。
うすうす勘づいてはいたのだけど、どうしても考え込んでしまうのをやめられない。
そういう場合はキッパリ直感を使うことにしてから、今では迷うことがだいぶ減った。
もちろん大前提として、すでにわかりきっていることや、経験則から従ったほうが良いとわかっているときはそれに従う。大きな波には逆らえない。
例えば信号が赤だったら横断歩道は渡らない。
そこで直感を使って渡ってしまうのはリスクが大きい。
株だって日経平均が下がって全体の株価が下落しているときは、いくら期待している銘柄だと言ってむやみに買ってもたちどころに損失を出してしまう。
大きな流れには絶対に逆らえない。
自明であることは、何も考えずにその流れに身を任せたほうがラクだ。
そういったことは経験すればするほど経験則が増えていくので、年を重ねるほど正しい選択が増えていくと思う。
そうすると今度は、それ以外の自明じゃない選択肢のときにどうするかということだ。
こういうときこそ直感を使う。僕は占いとかオバケは信じないのだけど、直感に対しては信じることにしている。
適当というわけではなく、あえて直感というものを積極的に使っていくこということだ。
そもそも迷っているときは、脳がどっちでも良いと判断しているということだと思う。
どう頑張ったところで自分の頭の中にある以上のことはわからない。
もしかすると細かい条件を照らし合わせて深ぼっていけばなんらかの結論は出るかもしれないけれど、たいていは誤差の範囲だろう。
そしていざ答えが出たとしてもそれが正しいかは、選択したあとにしかわからないのだ。
1秒先の未来だって誰にもわからないんだから、考える時間のほうがもったいない。
こうした試行と、それに対しての成功か失敗かの結果が自分の肥やしになって直感力が鍛えられていく。こっちのほうがよっぽど重要だ。
最近はAIなんかが盛り上がっているけど、僕はまだまだ人間の直感に勝るものはないと思う。
慣れてくると機械的にルールに沿ってやるのもひとつの方法だけれど、あまりにルールに縛られすぎると今度はルーティン化してしまう。
今の枠を超えた良いアイディアや行動を生み出すためには、直感に頼ってしまうのも一つの有効な手だ。
これはサイコロを振ってランダムに選ぶのとはまた違う。
自分の体が求めていることに素直に従うということだ。
人が生まれながらに持っている直感は、見たり、匂いを嗅いだり、味わってみたり、触ってみたり、心がときめいたりすることで吸収した材料を、脳の中でミックスしてそれが、何かを判断するときの材料に自然と使われている。
結果的にはもしかするとその場所の雰囲気とか気圧とか引力といったものを無意識に感じ取って判断に影響していることもあるかもしれないし、気候やちょっとした情緒なんかで心が揺らいだりもする。
AIで人間と同じ思考回路が作れるかもしれないけれど、この無限にある人のインプットセンサーにはまだまだ勝てない。
実際に高いところに登ると直感的にこれは怖いと思ったりするけど それと同じで、これはこっちにしたほうがいい、と体が勝手に心に訴えかけてきていることは、サイコロを振って決めるより少しは良い選択になる気がする。
繰り返すけど、そもそも正解が出るのは、実際に選択肢を選んだあとしかわからない。
どっちが正しいかなんてことは、サイコロはもちろんのこと、誰にもわからない。
だけど少しでも正しい判断をして、プラスアルファで突拍子もない良いアイディアが生まれるかもしれないから直感に従う。
というわけで、迷ったときは直感にゆだねるのも ひとつの武器として有効だなあ、と思った話です。