【輪番停電、電車が来ない】東日本大震災直後の東京のようす【会社を辞めた話 第46話】

この記事の続きです。

東日本大震災の翌日、出張先から東京へ戻ったときのようす【会社を辞めた話 第45話】

 

1話目はこちらです。

新卒入社した一部上場企業を1年で辞めた話【会社を辞めた話 第1話】

 

次の日。

地震から3日後の月曜日のことです。

 

1年目研修

この日から1週間、1年目研修というものがあり、何をするのか具体的にはまだ知りませんでしたが、山の中の研修施設にこもって技術研修を行うとのことでした。

1年前の新人研修の記憶が蘇ります。

あのときと同じ研修施設に向かっていました。

 

正直、こんな地震で大変なときに研修なんてあるわけないと思っていたのですが、何も連絡が来ないということはあるということなのでしょう。

 

研修施設は遠いので、都内の途中の駅で同期みんなで待ち合わせをして向かうことになっていました。

まずはそこまで向かいます。

 

電車が来ない

どうせ電車は遅延しているだろうと1時間早く家を出ました

 

予想どおり、家から最寄駅に向かうと、さっそく電車が動かないようすです。

いつ次の電車が来るかわからない。

そんな状況でも会社に向かう人々でごった返していました。

駅前のタクシーも50メートルほどの長い行列をつくっていました。

 

このまま待っていても、電車に乗るまでに1時間はかかるのが明らかです。

仕方ないので2つ先の駅まで歩くことにしました。

その駅からはそれなりに電車が動いているという情報を知ったからです。

 

30分ほど歩いて目的の駅に到着し、なんとか電車に乗ることができました。

 

電車の中はふだんより静かに感じました。

みんなの頭の中は同じ。地震のことでしょう。

 

そのことを考えたくなくても、途中で電車が急停車し、なにごとかと思えば余震が起きていました。

電車の中でも激しい揺れを感じます。

同時に、一斉に車内全員の携帯電話から緊急地震速報のアラートが鳴り響きます。

 

「長いな……。」

 

とつぶやく声が聞こえてきました。

 

たしかにかなり大きな揺れです。

緊迫した空気が車内に立ちこめます。

 

また大地震が起きて、この電車が横転したらどうしよう。

すぐ目の前に死があるようなそんな感覚でした。

 

久しぶりに同期と再会

待ち合わせの駅に到着すると、すでに同期が集まっていました。

久しぶりの再会を喜びました。

 

そして、すぐに

「研修、中止だってー。」

という話も聞きました。

 

せっかくここまで来たのに……と思う反面、半分 予想通りだったような、でもひとまずホッとしていました

 

これからどうするかというと、会社や客先に向かう人でバラバラだったので、少し立ち話をしたのち、ここで解散となりました

 

僕のチームはみんな出張先で待機していたので、万が一 研修が中止になったら自宅待機で良いという話を聞いていました。

またもと来た道を引き返します

 

そういえば今日は電力需要が供給を上回る可能性があるとのことで、輪番停電が実施される予定でした。

僕の住んでいる地域も数時間、電気が止まってしまいます

 

早く帰って携帯電話だけは充電しておきたいな……。

今度は急いで自宅に戻ります。

 

以下の記事に続きます。

東日本大地震直後、会社が自宅待機になってやっていたこと【会社を辞めた話 第47話】