この記事の続きです。
1話目はこちらです。
技術研修2日目の夜、その研修施設には談話室のようなスペースがあり、そこにみんなで集まって飲むことになりました。
実はその研修は他の関連会社の新入社員と合同でやっていて、まだ話したことのない人もたくさんいました。
「この研修どうなのよ?」
と、さっそく話題は研修の話になります。
面白い、楽しいという人や、だるい、こんなことしたくないという人など、みんなの胸のうちはバラバラでした。
また、高卒で工事会社に入社し、この研修に来ている人もいるということを知りました。
高校を卒業したばかりだとまだお酒は飲めないのですが、
「おい、俺らもなんか飲むぞ!」
とおもむろに自動販売機のほうへ走っていきました。
持ってきたのは “コーラ” でした。
みんなの話に勇気付けられる
そのうち「なんで今の会社に就職したのか?」という話になりました。
ひとりひとり持っているものや背負っているものに違いはあれど、わかったのはみんな将来の理想像を描いているということでした。
僕にも夢がありました。
そのときの夢は、「すごいウェブエンジニアになること」。
とてもざっくりしています(笑)
とにかく技術を身につけてなんでも開発できるようになりたい、そしてオリジナルのサイトやソフトを開発してみんなに使ってもらいたい、という夢がありました。
同じようにみんな夢を持っていました。
だけど、一度 就職に失敗したり、実家の金銭的な事情で行きたかった学校に入れず就職していたりする人もいて、現実をみてみると全てが思い通りになることはいろいろと難しいみたいです。
ましてや高校を卒業してからすぐに親元を離れて工事会社に就職して、いまこうやってコーラを飲みながら年上の輪の中に入っているのを見ていると、自分も何かもっと頑張らなければいけないな、と感じさせられたのでした。
もしかすると自分のように何か胸にモヤモヤしているものがあるけど、それを見せずに楽しくしていることだってあるような気がしました。
だけど今こうやってみんなで楽しく話せているのです。
それだけで十分じゃないかと気付かされたような気がしました。
ひとりひとりの事情や将来の夢を聞いて、それからはまた頑張ろうとやる気になったのです。
かけがえのない時間
それでもやっぱりあまり技術研修は楽しくなかったものの、最後まで気力を持ち続けることはできました。
それは夜に集まってみんなで語り合った時間があったおかげです。
おおげさかもしれませんが、それはかけがえのない時間でした。
毎日のようにみんなで研修をして、夜はご飯を食べて、大浴場に入って、談話室で集まって、こんなことを繰り返していれば、1週間という短い時間でも仲良くならないはずがありません。
もう2度と会うことがないだろうという人もいるのはわかっていたので、研修が終わるときには別れるのが少し寂しくなりました。
最後はやっぱり神社でした。
初日のように山へ登って、神様に「無事に終わってありがとう」と言いにいくのが恒例らしいです。
前に来た時は必死になって無事に研修が終わることだけを祈っていたのですが、今はちょっとだけまだ終わらなくてもいいかな、と思いました。
最終日はみんなお互いに、頑張れよ なんて言いながら別れて帰って行きました。
仲間の存在はやはり偉大です。
あのときは楽しかったなあ、あの人は元気にしているかなあと、あれから数年経った今でもたまに思い出すのです。
以下の記事に続きます。