会社を辞めるとき、その体質が全てあらわになる

僕はおもにエンジニアとしてさまざまな会社を経験して、最終的にフリーランスとなりました。

そして、関わってきた会社の数だけ退職経験があります

また退職をすると、退職者同士でコミュニティができたりすることもあり、よく前にいた会社の話題になる場面に出くわして、退職の理由を数え切れないほど耳にしてきました

こうしてわかったことは、会社によって退職時の対応はそれぞれ違うし、また、それによって会社を辞めた後でもその会社の人たちと仲良くしているか(仲良くしやすいか)、辞めた会社を今でも応援したいかどうかというのが、全く変わってくるなあというのを感じているので、それについて書いてみます。

起業家 家入一真さんのツイート

これについてふと書いてみようと思ったのは、以下のツイートを見たからです。

起業家の家入一真さんが、経営者目線で社員が退職したいと言ったときの対応について言及されていました。

“辞める時に会社のほんとうの姿が見えるよね、という話” by @kohide_I https://t.co/Jfa4kvAdfA

— 家入 一真 Kazuma Ieiri (@hbkr) 2017年7月20日

相談ならどれだけでも乗るが、一言でも「辞める」と明言された場合には絶対に引き止めないというポリシーを僕は最初の起業から徹底してます。なぜならそれは軽々しく口にすべき言葉では無いし、覚悟の上ならなおさら、引き止めるという行為は相手に対して失礼にあたると感じるからです。

— 家入 一真 Kazuma Ieiri (@hbkr) 2017年7月20日

その代わり、辞めた後やっぱり戻ってくるのは全くもって自由で、いつでもどうぞ、というスタンスです。流動性を高めるという観点でも、プラットフォームも会社も人付き合いも、そうあるべきだと思っています。

— 家入 一真 Kazuma Ieiri (@hbkr) 2017年7月20日

もちろん仲間がいなくなるのは辛いし寂しいし悔しいしなにより申し訳ないし、「引き止めない」なんてことを言ってるのは、もしかしたら自分が傷つきたく無いだけの、ただの強がりなのかもしれません。仲間が辞めるということは「まだここにいたい」と思わせられなかった、経営者の敗北なのです

— 家入 一真 Kazuma Ieiri (@hbkr) 2017年7月20日

自分たちの目指す世界をつくるため、一人でも多くの仲間を集め、前に進んでいく。仲間が増えることのダイナミズムもそこにあります。ですが、その過程で失ってしまうもの、置き去りにしてしまうもの、辛い思いをさせてしまうひとが存在することに、トップは常に自覚的であるべきだと思っています。

— 家入 一真 Kazuma Ieiri (@hbkr) 2017年7月20日

小さな言葉ひとつ、小さな態度ひとつ、小さな痛みひとつ、そのひとつ一つに、トップが鈍感になってしまった瞬間に、組織は終わってしまう、そう思っています。

— 家入 一真 Kazuma Ieiri (@hbkr) 2017年7月20日

繰り返しになりますが、仲間が辞めるということは「この会社にまだいたい、この会社で更に成長したい」と思わせられなかった経営者の敗北なので、どんな経緯であれ、最後には「申し訳ない」という言葉しか出てこないし、頑張って魅力的な組織にするからその時は良ければ戻ってきて欲しい、と本当に思う

— 家入 一真 Kazuma Ieiri (@hbkr) 2017年7月20日

いい人ブランディングぽい連投が続いたのであえて言うと、ぼくは「例え親子であろうと他人同士は分かり合えない」という前提にたってコミュニケーションしているので、辞めるという人を止められるとも思ってないし、むしろ止められると思うこと自体がとてもおこがましいと考えます。

— 家入 一真 Kazuma Ieiri (@hbkr) 2017年7月20日

どこまで行っても他人は他人、たまたま同じ方向に歩く時もあれば、道が別れることもある、また合流する人もいれば、そのまま二度と会わない人もいるだろう、カリスマ性やリーダーシップを発揮して「あっち行こうぜ!」なんてタイプでも無いし、「僕はこっちいくけど一緒にどう…?」くらいな感じです

— 家入 一真 Kazuma Ieiri (@hbkr) 2017年7月20日

「自分は合理主義だから」なんて成果主義的にスパスパ人を切ったり貼ったりする経営者もいるけど、最終的にグチャグチャになってコミュニケーションコストが高くなってるケースは多々あるように思う(全然合理的じゃないじゃん…)人間は感情の生き物だからね

— 家入 一真 Kazuma Ieiri (@hbkr) 2017年7月20日

僕は、辞める側はもちろんのこと、チームのリーダーやマネージャーといった経験をしてきたこともあり、辞められる側の気持ちを理解することも、多少はできるつもりではいます。

経営者の気持ちまで完全にはわからないだろうけど、自分の率いるチームのメンバーが辞めていくということは本当にうまくできなかった自分の「敗北」を意味すると思っています。

申し訳なかった気持ちでいっぱいです。

だからこのツイートは共感できるし、そして僕も全く同じ気持ちです。

それをふまえたうえで今回は、辞める社員側の視点に立って書いてみます。

「辞める」と言われたときは赤信号

辞める側にとって退職は人生の大きな出来事であり、全ての会社の退職時の対応を今でもハッキリ覚えているし、会社ごとにその性格がものすごく出ます

そして、会社のふだんからの体質が退職時に顕著に現れて来ることにも気づきます。

「うすうすわかってたけど、やっぱりこういう会社だったんだな……。」

と感じて、あらためて辞める決断をして良かったということがわかって晴れ晴れとした気持ちで辞めたこともあります。

衝撃的だったのは、いちど辞めるときに

「こんな良い会社は他にない。」

「あなたのために場所は与えてきた。」

「だから自分で不満を変えられるくらいの裁量はあった。」

ということを言われたことです。

完全に人に任せっきりだというのは感じていましたが、こうやって辞めるときに顕著にそのスタンスが現れたときは、早いうちに辞めて正解だったなと思いました。

とくにその会社では今までの経験やスキルを一番絞り出してきた自信があったので、これで与えてきたなんてことを言われたくはないし、そもそもそれはお互い様のことです。

だからそれを聞いて、

「結局利用されていただけではないのかな?」

と疑問に思ってしまったのです。

もしそうじゃないとしても、そう思われるということは普段からそのような行動や発言、体質として現れているものなので、せめてそれはわかっておいて欲しいなとも思います。

このように自分に思いがけない突飛なことを言われた場合、議論の余地もないということはわかっているので、人は何も言わずにそっと離れていきます

そして、二度と関わるのはやめようかなと思います

一応言っておくと、会社も人同士の付き合いなので、性格の合う合わないはあるし、正解はありません。

それに、経営者だってひとりの同じ人間ですから誰かが離れていくということは悔しいものだし、プライドが現れることもあるでしょう

たまにその社員に今までの不満を言いたくなることだってあるかもしれません。

だけどそれを繰り返していくと、ただただ人と関われば関わるほど敵を作るばかりで、いつかしっぺ返しを食らうことにもなりかねないと思うのです。

辞めるということは、キャリアアップのようなプラスの要因で辞めていくならまだしも、オモテで言われないだけでウラでは仕事が辛いとかパワハラとか、人間関係とか、プライドがズタボロの状態でリタイアしていく人もたくさんいるし、実際にそのようなことをたくさん聞いてきました。

だから「辞める」と言われたときはすでに赤信号であり、もしマイナスの要因で辞めていくようだったら社内に同じ状況の人がきっと何人もいます

それを知ったうえで、自分自身は仕事以外においても誰かと活動を行う際は、人の時間を使っている以上、相手のことを尊重するのが最優先だということを心がけています。

ないと思いますが、「雇ってやってんだ」というスタンスは論外です。

印象的な退職時の対応

しかし、幸い僕が関わってきた会社では、そんなことはほとんどなく、逆に今でも感謝している会社ばかりです。

仕事で一緒に関わってきた社員とも仲良くしています。

とくに上の家入さんのツイートのような対応は僕にとってはお手本で、こういう対応をしていただいたときは最高だし、むしろ辞めてからもその会社を応援したいし、なんらかの形で恩返ししたいという気持ちにもなります

(求められてないと思いますが……汗)

僕が転職してきたのはほとんどがキャリアアップのためで、次のアテを見つけてから退職の意思を伝えることが多かったのですが、辞めると伝えたときに嬉しかった対応がいくつかあります。

例えばこんなことがありました。

「もっと成長したい。経験が欲しい。」

という退職の理由を伝えたときに、

「これからこんな新しい事業をやるけどやらない?」

というオファーをいただきました。

しかしながら、すぐにはそれが実現できないということもわかっていたので、断ってしまいました。

でもとても嬉しいオファーだったことは間違いないし、辞めるときにそのような誠意が見えるだけで、僕にとって次のステージへの自身に繋がる出来事だったことは言うまでもありません。

また、転職先を伝えたときに、

「次の会社は知っているけど、とても良い会社だよ。」

という発言で激励されたことは、これはプライドを捨てた精一杯の優しさで、なかなかできることではないと思いました。

おおげさかもしれませんが、敗北を素直に認め、次のステージを認めるという行為に、人間的にとても優れた人のもとで働けて幸せだったと感動していました。

またあるときは、新たな経験に挑戦できる会社に転職をする意思を伝えたとき、転職を決めていた会社よりもっと大きな経験ができて、もっと大きな待遇で別事業立ち上げのオファーをいただいたこともありました。

これは正直辞めるか迷いました

だけど、同じ人といる限り同じ成長しかできないと考えたのと、そもそも次の会社への決意がすでに固いものとなっていたため、辞めてしまいました。

その対応に対して、逆に申し訳ない気持ちで、今でも感謝しています。

そのためか、今でも辞めた会社のことを心の底から応援しています

全て辞めるときに決まる

こんなふうにそれぞれの会社の退職時のことは、鮮明に覚えています。

だから辞めるときの対応って大事です。

それで今後の関わり方が全て決まります

辞めるということはチームから離れていくという後ろめたい気持ちで、基本的には敵になってしまいがちなので、それをいかに「あなたの味方だよ」って思ってもらえるかというところがポイントかなと思いました。

目的を持って辞める人はとくに、サービス精神旺盛な優しい人がいっぱいいるので、社外の味方って、理由もなく尽くしてくれて、それなりにすごい力に働くというのは感じます。

組織って難しい

都合の良いことを書き連ねてしまいましたが、これって会社だけの話じゃなくて、友達関係とか、恋愛関係とか、人との交わりの全てに関わってくるものだと思います。

僕自信、人を大切にして、プラスの存在になっていきたいとそんなことを考えながら書いていました。

ミスマッチな採用だけじゃなくて、ミスマッチ退職も減ると良いと思う今日この頃です。

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株とブログとプログラミングで生活している東京在住のフリーランス。

このブログには毎月15万人くらい訪れます。

田舎で生まれ、上京して7年。大手SIer → ウェブ系ベンチャー → スタートアップ創業期を経験したのちフリーランスに。

お金持ちにならなくていいから好きなことをしたい。好きなことを続けるためにお金が欲しい。