新卒で入社した超有名大企業を1年で辞めた話 その14(至れり尽くせりの待遇による弊害)

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新人研修はまだまだ続きます。

マナー研修の次は、ワードやエクセルなどの文書作成や表計算ソフトの使い方を学ぶパソコンの研修でした。

  

え、そんなことまでやるの?!

  

って思った方も中にはいるかもしれませんが、そんなことまでやってくれました


  

面倒を見てくれる会社が良い会社?

僕が入社した会社はいちおうれっきとしたIT企業です。

ある程度パソコンに親しんできた人が集まってくるのかと思っていましたが、決してそんなことはなく、なんでこの会社に入ってきたんだろうという感じの人もいました。

あまりコンピュータの知識がなく、「エクセル? なにそれ?」みたいな人もいました。

  

表計算ソフトなんかは関数を使いこなせばありあらゆるデータ加工ができて非常に便利です。

たしかにみっちり研修してくれるに越したことはありません。

とにかくこうやって基礎からやってくれるのはとてもありがたいことでした。

  

会社によって違いはあるものの、こうやって何から何まで面倒を見てくれるのは大企業の特徴のひとつかもしれません。

  

そして、世間では「良い会社に入りなさい」とよく耳にしますが、これがいわゆる良い会社と言われたら確かにそうなのかもしれません

ただしそれによる弊害もあります。

  

大手の手厚いサポート

大手と言われる会社はとにかく人数が多い分、全員のことを把握することができません。

一人一人がはみ出さないように、最低限のことはこうやって手取り足取りやってくれることも多いのです。

  

まずこの3ヶ月という新人研修で名刺交換、電話応対の仕方から、マナー、言葉遣いを教えてもらい、そして資格の講義、資格取得のための費用まで会社が負担してくれ、合格するまで面倒を見てくれました

何もしなくても自動的にエスカレーターを上るように進んでいきます

  

業務に入ると、上の人から仕事を与えられ、言われたとおりに動きます。

いわゆる会社の歯車となるわけですが、逆に言えば言われたとおりにやるだけです。

  

それでもある程度の役職までは年齢に応じて上がることができ、それにつれて給料も上がっていきます

その途中で、もし現状の仕事でうまくいかないようであれば、部署を変えて少しでもその人の適性やレベルにあった仕事に社内で変えてくれることだってあります。

  

仕事だけにとどまりません。

貯金するなら財形貯蓄と制度があったり、万が一のことが心配なら会社内で保険が用意されていたり、手当でいくらか家賃を負担してもらえたり、年に2回のボーナス、そして旅行にいっても宿泊先は会社の提携している施設に安く泊まれて、保険やら年末調整やら面倒なことは事務の方がまとめてやってくれます。

  

また、各部署に女性が入ることで男性の仕事の効率が上がるため、あえてプロジェクトに女性を入れるという話があります。

社内結婚や派遣社員の女性と結婚したという話もよく耳にします。

  

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そうやって社員は温かい温室の中で育てられ、他のところに行けないように囲い込まれていくのです。

それは長くいればいるほど、周りの柵は頑丈になっていきます。

  

閉ざされた村社会

実際、働いてみて思ったことは、社内の中がひとつの村であったということでした。

  

その村でみんなから慕われているムードメーカーのおじさんがいました。

僕がいたフロアにいる数百人の誰しもがその人を知っているくらい有名です。

みんなからの人望が厚く、いつも周りには人がいました。

だけどこんな人でも少しこの村を離れればただのおじさんに戻るんだろうなあと感じました。

  

この村では偉くてみんなから慕われている存在かもしれませんが、そういう人はこの村を去って別の町に出た瞬間にあまりの違いに戸惑うような気がするのです。

  

それがわかったのは僕が実際にその村を出たときでした。

他の町はもっとスピード感があって、自分の仕事が想像以上に会社の業績に直結していて、同じ年の人が自分より明らかにスキルがあって、今までの常識では考えられないことがたくさんありました。

  

大手企業から転職して小さなITベンチャー企業に入ったときは、とくに受け身体質が染み付いており、言われたことをやる、むしろ言われたことしかやらない、というスタンスがなかなか抜けなかったのを今でも覚えています。

転職先の会社では自分で考えて仕事を見つけて動かなければなりませんでした。

その代わりうるさく言う上司もいないし、ペース配分は自分で考えて仕事をします。

だけど結果はきちんと求められました。

  

大企業だと職種にもよるでしょうが、専門的な仕事や社内独自の仕事が多く、他の会社に移ったときにつぶしがきかないことが多いのも事実だとそのとき感じました。

一方でつぶしがきいたことと言えば、会社の歯車になるということが理解できたこと、社会人としてのマナーが理解できたこと、上司に好かれる技術といったものでした。

うまく世の中を渡り歩く小手先のスキルは熟成していったものの、一方で仕事の技術的なスキルはさっぱりでした。

  

独特の受け身体質

今までは何もしなくても勝手にエサが用意されて向こうからやってきたのが、今度は自分から食材を探してきて調理しなければならなくなりました

  

これは大きな違いです。

考えて仕事をやらなければなりません。

  

大企業に1年しかいなかった僕ですら、今までの常識を覆すのにかなりの時間を要しました。

そう考えてみると、何十年も同じ企業に働いてクビになったら他で雇ってくれる会社がなくなった、という話も頷けます。 

  

ずっと同じところにいて、同じことをやっているのは楽なことです。

昔だったらそれができたので、それでも問題なかったかもしれません。

最近だと大きくて優良な温室でもつぶれてしまうことがあったり、温室で作る野菜もコロコロ変わってしまったり

  

世の中、難しいものです……。

  

▼続きます。

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ABOUTこの記事をかいた人

株とブログとプログラミングで生活している東京在住のフリーランス。

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田舎で生まれ、上京して7年。大手SIer → ウェブ系ベンチャー → スタートアップ創業期を経験したのちフリーランスに。

お金持ちにならなくていいから好きなことをしたい。好きなことを続けるためにお金が欲しい。