昔からインターネットで人を集めるのが好きだった。
別にリアルな場所では人混みが嫌いだし 決してリーダーシップをとるほうではない。
だけど同時刻に同じバーチャル空間に大勢が集まることについて、どこか可能性やロマンを感じてしまう。
ドミノ倒しみたいに自分の投げたボールが見ず知らずの人に渡って、遠くのほうで代わりの誰かがゴールへ導いてくれるような 不思議な気持ちになって、アドレナリンが全開になるのだ。
ネットオタク
学生の頃に「2ちゃんねる」(現在は「5ちゃんねる」)という掲示板サイト上で、2日かけて100以上もの個人が作成した動画を流してみんなで感想を言いながらワイワイするといったようなイベントを主催したことがあって、イベント前には毎日数万人の人がサイトに訪れた。
けっきょくそれをやったところで1円にもなっていないのだけど、ただ楽しくて勉強もロクにせずに連日キーボードを走らせ続けていた。
ほかにも昔、ハンゲームというオンラインゲームサイトで流行っていた童話王国というRPGゲームにハマってたことがあって、ログインすると同じフィールド上に動物と人間をかけあわせた様相のキャラクターがいつも広場に集まっていて、僕はと言えばレベル上げもせずに しょっちゅうそこで同じ時間に同じゲームにログインしている人たちと会話を楽しんでいた。
いつしかサークルを作ってメンバー同士でみんなで狩りに出かけたり、それらしく専用のサイトを作ってメンバー同士でイベントを開催したり交流したりするようになった。
再販可能なレンタルサーバーを借りて、掲示板で人を集めてスペースを貸し出し、各自で作成したページを見せ合って楽しむ、といったことなんかもやっていた。
夜遊び
そんなふうにインターネットが好きだった僕は、ネット上のにぎやかな中心街を徘徊し、思い立ったら人を集めてワイワイする、いわばバーチャル夜遊びのようなことをやっていた。
昼はどこにでもいる普通の学生で、夜はネットの眠らない街に繰り出す。今 過去の自分を思い出してみたらかなりオタクだったように思う。ネットにのめり込んでいた。
だけどよくよく考えてみたら、大人になった今でもこのブログをはじめ、根本的にはなにも変わっていない。
僕はブログが好きだ。そして原点にはこの学生の頃の経験がある。
いい記事が書けた夜には寝る前にまた記事を見返してニヤニヤするし、明日はもっといい記事を書きたいとネタを思い巡らせながら眠りにつく。
ネットゲームや掲示板サイトに費やしていた興味がそのままブログやツイッターに移行していただけなのだった。
ブログへの愛慕
僕のブログの一番のファンは、確実に自分だし誰よりもこのブログにハマっている自信がある。
ちょっと気持ちが悪い気もするのだけれど、ほんとにそうなのだからしょうがない。だけどそれくらいのめり込んでいるとブログがあまり苦痛もなく続けられる。むしろ楽しい。
よく「誰かが役に立つ記事を……」「SEOを意識して……」とかって話はあるのだけれど、それよりもなによりも自分が見てニヤニヤできるかどうか、ってことが一番にあるとハッピーだと思う。
好きな映画のDVDを棚に並べて満足するような感覚に近いかもしれない。
正直言うと個人的には、稼ぐためにアクセスが見込める検索キーワードを探すのとかはしんどいし、リライトなんかは二度とやりたくない、広告なんかを張り替えるのもめんどくさい。
だけどアクセスと収入が続かないとこの生活も維持できないので仕方なくやっていくんだけれど。
根本にあるのはやっぱり、このブログを愛しているのと人が集まることに対するロマンが原動力だ。ただ好きなことに夢中になっているということなのだと思う。
川で拾ったキレイな石をコレクションしてニヤニヤしている小学生と何も変わらない。ゲームにクリアして満足げに浸るのと変わらない。
これをクリアしたらいったい次はどんなステージが出てくるのだろう。全クリしたときにはなんだか面白いことになっていそうだ。そういう好奇心を満たすためにブログをやっている。
だからブログが好きだし これからも続けていきたいな〜。