この記事の続きです。
1話目はこちらです。
配属先では基本的に放置でした。
新人にやってもらう仕事があまりないようで、そのわりにはみんな忙しそうにしていて、かまってもらうこともなく、ただ時間だけが過ぎるのを待っていました。
かといって客先で業務中にパソコンでゲームができるわけもないし、資格の勉強をして時間を有効活用なんてこともできません。
楽といえば楽なのですが、何もやることがなさすぎてもこんなつらいものなのかと思いました。
ヒマな時間がただ過ぎるのを待つという苦行
さらに加えて、急にプロジェクトに入ることとなったためか僕のビルの入館証がまだ発行されていないようで、課長から
「まだ入館証がないから部屋の外に出るときは誰かに借りてくれ。」
と言われました。
入館証を入り口のカードリーダーにかざしてロックを解除しなければ、部屋に入れないからです。
トイレに行くたびに入館証を借りなければならないのは非常にわずらわしいものでした。
また、ある日のこと、オフィスの見回りなのか警備員が回ってきました。
主任は僕にこっそり耳打ちします。
「まだ入館許可がないからトイレに隠れてろ。」
と言われました。
やる仕事もないうえ、いちいちカードを借りてトイレに行かなければならない、そして警備員にビクビクしながら自分の会社でもないオフィスで過ごさなければならないという地獄の拘束時間を過ごしていました。
まさにオリの中にいるような感覚です。
一方で本社にいる同期たちの話を聞くと、やる仕事は少ないものの、少なくとも電話の取り次ぎは任されているようで、それなりに仕事っぽい感じは出せているようでした。
そんな話を聞くと、
自分はなにやってるんだろうなあ……
と焦ってしまうのでした。
新卒で配属したての一番やる気のある時期。
体力とやる気があまっていて、どんな仕事でもいいから回して欲しいと切に願っていました。
初めて与えられた仕事
そんなときに、27歳の仕事ができそうなお兄さん的存在・佐々木さんから初めての仕事が回ってきました。
パソコンで入力するコマンドを作って欲しいという依頼でした。
なにやら難しそうですが実際の作業は簡単で、すでに用意されている一行の文をコピペして、途中の数字を1から2に変えるだけのような単純作業でした。
ただ、量だけはそれなりにあるので少し時間がかかります。
とにかく暇だった僕はやっと何かの役に立てると喜んでいました。
作業は隣にいた26歳のイケメン風でおとなしめな山田さんと手分けして進めます。
別に手分けする必要もなさそうな作業なのですが手が余っているのか、佐々木さんからは手分けしてやるように言われているのでその指示に従って一緒に進めます。
だいたい1時間ほどで終わりそうでした。
実際に進めてみると予定の半分の30分で終わってしまいました。
山田さんのほうはというと非常にやる気がなさそうで、僕が暇そうにしているのを見て、
「少し多めにやる?(笑)」
と言っていました。
あと、
「早く終わったら次にやることがなくなっちゃうから、ゆっくりめで正確にやったほうが良い。」
とも教えてくれました。
そう言われて、もう一度、誤りがないか確認していました。
4回ほど再確認し、横をみると、まだ山田さんが作業を進めているようでした。
さすがに遅すぎるのでは?!
早く言われたことを終わらせてやる気のあるところを見せたい、なんて思っていたのですが、山田さんの言っていることが正しいことがわかりました。
作業を依頼した佐々木さんに終わったという報告をすると、その次にやることがないようでした。
また暇な時間に逆戻りです。
ボーッとしているほうがつらいのであと10回くらい再確認しても良かったかもなあ
と後悔していたのでした。
以下の記事に続きます。