何かが勝手に生まれていくしくみをつくるのが好きだ

僕は昔から自動で何かが生まれるしくみをつくるのが好きだった。

 

例えばドミノなんかがそうだ。

物理の力で次から次へと小さな駒が倒れていき、自分の手を触れずとも最終的には50メートルも先のゴールの旗が立ち上がるのは、なにか自分の力以上のことを代わりにやってもらえるしくみを作り上げてしまったような、人類の進化に似たロマンのようなものを感じる

NHKのピタゴラスイッチみたいに、次から次へと連鎖的に何かが生まれていくことにワクワクするのだ。

 

原点は小学校のときにさかのぼる。

図工の授業でグループに分かれてダンボールの家を作った。

みんなの家からダンボールを持ち寄って、教室の中で小さな家を建てる。

 

子供のお遊びとはいっても、僕のグループで建てた家も、最終的に 3, 4人は入れる大きさになり、ちゃんと窓もあって、ベンチもあり、テーブルまである。本格的だ。

 

理科の実験で使った豆電球も天井に仕込んである。

天井に開けた穴からコードを出して、その先のスイッチをこれまた壁に穴を開けて埋め込んだ。

 

壁のスイッチをひねって灯りがつくと、無機質なダンボールの家が急にものすごく本格的になった気がして、

「文明の進化だ」

なんてことを言いながら、みんなで家の完成を喜んだものである。

 

今度は各グループのリーダー的な偉い総理大臣たちが、

「みんなの家を繋げよう」

なんてことを言い始めた。

 

先生は

「まあいいんじゃない?」

って感じで、今度は一斉に渡り廊下を作り始めた。

 

暇な人はその上に屋根をつけてトンネルなんかも作り始めた。

数時間もすると、家同士が夢の渡り廊下で繋がった

 

なかなかの完成度になり、なんとこの家が全校生徒が自由に入れる教室に公開されることになったのである。

これがなかなかおもしろいものだった。

 

休み時間になると、他のクラスの友達が集まってきた。

ものめずらしそうに、新築の家に入って手当たり次第に壁をたたいたり、トンネルをくぐったりして、

「なかなかじゃないか」

とご満悦なようす。

そこでは本を読んだり、おしゃべりをしたり、ままごとをしたり、電気をつけてみたり、何をするのも自由だ。

 

みんなが集まる空間ができて自由にそこで好き勝手過ごせる。

そうすることによって勝手に家に新しい家具が増えていたり、利便性を上げるために裏口のドアが新しく付いていたりして、どんどん便利で面白い家になっていく

 

それから10年後。

あのダンボールの家をつくった感動は忘れていなかった。

 

コンピューターのプログラムや、インターネットなんかはその最たるものだと思う。

僕が始めたのはレンタルサーバー屋だ。

 

サーバー屋といってもビジネスではない。

僕がひとつのサーバーを借りて、その容量を区切ってみんなに無料で使ってもらう。

利益はないけどなんだか楽しそうじゃないかと思って適当に始めてみることにした。

 

たしか専用サーバーに近いプランで月額7,000円ほどのサーバーだったと思う。

当時の僕は学生で、かなり大きな出費だ。

貯めてきたお小遣いを計算すると、少なくともなんとか3ヶ月は維持できそうなのでとりあえず借りてみることにした。

 

そのサーバーは再販が可能で、自前で容量を区切るシステムは自分で組めなかったけど、管理画面から容量を区切ってFTPアカウントを発行して、データベースを作成して、レンタルサーバーの真似ごとをするには充分だ。

10GB、FTP、CGI、PHPが使え、しかも広告がつかないという当時にしては高待遇で、これを無料で貸し出した

 

これをやるときに最初から考えていたのだけれども、2ちゃんねるで人を集めることにした

サイトを作れる環境を提供するから、みんなでホームページをつくって掲示板上で見せ合えたらワイワイできて楽しいんじゃないかと思っていたのだ。

 

2ちゃんねるに書き込んで1日もたつと、さっそく20人ほど集まった

みんな怪しがっていたけど、誰かがさっそく作ったホームページを共有すると、「なんだ、おもしろそうじゃないか」とみるみるうちにアカウントの発行数は増えて忙しくなった。

 

最終的には200人ほど集まったと思う。

そのうちみんなのページが散らばってわけがわからなくなってきたので、発行したアカウントのリンク集を作った

 

左側にメニューのフレームがあり、リンクをクリックすると右側に誰かのサイトが現れるといった具合だ。

まさに昔の2ちゃんねると同じようなイメージだ。

 

テレビのザッピングのような感覚で、次から次へと同志がつくるサイトをチャンネルを変えるように見られる。

これはなかなかおもしろい。

毎日誰かが必ず更新していて、少しずつ大きな街が完成していくようだ。

 

そのうち各自でホームページの作り方を教えあうようになった

いたるところでコミュニティができて、どんどん街が広がっていった。

僕もみんなの “家” を毎日巡回していた。

 

ところが、それも長くは続かなかった。

ある程度のサイトが出来上がってしまうと それからはやることが無くなってしまったようで、全体的に飽きがきている空気を感じた

自分と同じように、みんなも「面白そうだから」という暇つぶしで始めたものだから、ゲームをクリアして飽きてしまった感覚に近い

少しずつ2ちゃんねるでの書き込みも減っていき、古株メンバーのサイト更新が止まっていくと、連鎖して少しずつ人が離れていった

 

僕自身もすっかり飽きていて、テスト期間が始まるのをきっかけに離れてしまい、そのまま見なくなってしまった。

 

確かそれからは別のことに夢中になっていたと思う。

次の月の代金を振り込まないとサーバーが止まるというメールがきてもさほど気にしていなかった。

スレッドを見ても書き込みがないので、おそらく他の人も気にしていないだろう。

 

実際にサイトが丸ごと消えてからも、悲しいかな、誰も文句を言わなかった。

(でもそれから数日して、誰かが僕が借りていたサーバーと同じものを借りて、引き継いでくれていた。)

 

そんなわけで僕はあっという間で濃い3ヶ月を過ごせた。

それから今でも僕はプログラムを書いたりして、しくみを作って何かが生まれていくことに喜びを感じる。

それはあの小学校のときにつくったダンボールハウスが原点だったように思う。

作ったものがみんなに好き勝手に使われて、どんどん発展していくのは自分の限界を越えられるような気がしてやっぱり楽しい。

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ABOUTこの記事をかいた人

投資(株、ビットコイン)とウェブサービス開発で生きている1989年生まれの個人投資家ブロガー。

このブログには毎月15万人くらい訪れます。

石川県から上京して7年間 エンジニアとして大手SIer → ウェブ系ベンチャー → スタートアップ創業期を経験したのち「もう副業だけで食っていけるんじゃね?!」と独立。

ひたすら何かを書いていたい、作っていたい。